格安SIMに替えて1か月。音楽アプリの支払いエラーが届いた。留守番電話が聞けなくなっていた。そんな「替えてから気づく」小さな困りごとは、案外あるものです。電波や速度の話はよく聞いても、こうした細かな違いはあまり説明されません。
この記事では、格安SIMに替えると使えなくなるもの、別の手続きが必要になるものをまとめました。多くは事前に分かっていれば困りません。自分に関係があるものだけ、契約前に確かめておきましょう。なお、できることは会社やプランによって違います。

まず押さえたい「なくなるのは契約についていたサービス」
「格安SIMだから機能が劣る」と考えると、話が分かりにくくなります。実際に起きているのは、今の携帯会社との契約についていたサービスが、解約で一緒に終わるということです。
スマホ本体の機能や、インターネットで使うサービスの多くは、今までどおり使えます。そのため、確認すべきなのは「今の携帯会社に、どんなものをまとめて頼んでいるか」です。明細を見ながら、次の項目を順番に確かめていきましょう。明細の見方は「スマホ代が高い理由は?」で説明しています。
キャリア決済(携帯料金との合算払い)
アプリや音楽サービス、ネット通販の代金を携帯料金と一緒に払うのが、キャリア決済です。この仕組みは、その携帯会社の回線と結びついているため、回線を解約すると使えなくなるのが基本です。
ここで困りやすいのが、毎月自動で払っているサブスクリプションです。支払いに失敗して、サービスが止まったり、ポイントが使えなくなったりすることがあります。乗り換えの前に次の確認をしてください。
- 明細で、合算して払っているものを見つける
- App StoreやGoogle Playの支払い方法を確かめる
- クレジットカードなど、別の支払い方法に変更する
- 使っていないサービスは、この機会に解約する
なお、d払いのようなスマホ決済アプリは、回線に関係なく使える場合がありますが、支払い元が変わるなど条件が変わることがあります。残高やポイントの扱いも含めて、各サービスの案内を確かめましょう。
留守番電話と割り込み通話
留守番電話や、通話中に別の着信を受ける割り込み通話(キャッチホン)は、格安SIMでは有料のオプションだったり、そもそも提供されていなかったりします。たとえば、LINEMOには「留守電パック」というオプションがあります。
今のプランで使えている人は、当たり前の機能だと思っているかもしれません。仕事で電話を受ける人や、病院などから電話がかかってくる人は特に確認が必要です。あまり使わないのであれば、着信の履歴を見てかけ直す運用でも足りることがあります。
テザリング
スマホの通信をパソコンやタブレットで使うテザリングは、多くの格安SIMで無料で使えます。ただ、次のような例外もあるので確かめておきましょう。
- 会社やプランによっては、申し込みやオプションが必要な場合があります。
- 端末と回線の組み合わせによっては、できない場合があります。特に古い機種では、ドコモで買った端末とドコモ回線の格安SIMの組み合わせで、できないことがあると指摘されています。
- テザリングで使える容量に上限のあるプランもあります。
外でパソコンをよく使う人は、公式サイトの動作確認の一覧を見て、自分の機種でテザリングができるかまで確認してください。
実は盲点になりやすい「通話の対象外」
ここが見落とされやすいところです。「通話定額のオプションをつけたから、電話代はもう心配ない」と思っていても、定額の対象にならない番号があります。
代表的なのが、0570で始まるナビダイヤルです。LINEMOもIIJmioも、公式サイトでナビダイヤルは通話定額の対象外と案内しています。宅配便の再配達、役所、病院、企業の問い合わせ窓口などで使われている番号です。保留の間も料金はかかるので、長く待たされると、思ったより高くなることがあります。
対策はシンプルです。
- 問い合わせ窓口に0570以外の番号がないかを確かめる
- ウェブのフォームやチャットで済ませられないか考える
- 電話が長くなりそうなときは、固定電話などを使う
料金表の「かけ放題」という言葉だけを見るのではなく、対象外の番号まで確認すると安心です。よく聞く不安については「格安SIMは怖い?」でもまとめています。
そのほかに確認したいもの
キャリアメール
携帯会社のメールアドレスは、解約すると基本的に使えなくなります。残すには持ち運びサービスの申し込みが必要で、解約後31日以内という期限があります。くわしくは「格安SIMにするとキャリアメールはどうなる?」をご覧ください。
携帯会社のWi-Fiサービス
駅やお店で使える携帯会社のWi-Fiが、今のプランに無料でついている場合があります。解約すると使えなくなるか、別の料金が必要になることがあります。外でよく使っている人は確認しましょう。
家族割やセット割
今の会社で家族割や光回線とのセット割を受けている場合、1人が抜けると、残る家族の割引が減ることがあります。自分の料金だけで判断せず、家族全体で計算してください。
LINEのID検索
LINEのID検索に必要な年齢確認は、格安SIMではできない場合があります。LINE自体は使えますし、QRコードや招待リンクで友だちを追加できます。
データ専用プランの場合のSMSと通話
データ専用プランでは、電話番号を使った通話ができず、SMSも使えない場合があります。本人確認でSMSを使うサービスは多いので、メインのスマホならSMSがつくプランを選びましょう。
確認のチェックリスト
乗り換える前に、次の項目を確かめてみてください。
- 携帯料金と合算して払っているものがあるか
- 留守番電話や割り込み通話を使っているか
- テザリングを使っているか、自分の機種で使えるか
- 0570の番号によく電話をかけるか
- キャリアメールを登録しているところがあるか
- 家族割やセット割を受けているか
当てはまるものが多いほど、乗り換え先のオプションの費用も増える可能性があります。安いプランの月額に、必要なオプションを足した金額で比べましょう。
よくある質問
緊急通報はできますか?
音声通話つきのプランなら、110番や119番にかけられます。データ専用プランでは、電話番号を使った通話ができないものがあります。メインのスマホにはおすすめしません。
おサイフケータイは使えますか?
おサイフケータイはスマホ本体の機能なので、基本的に使い続けられます。ただ、携帯料金と合算でチャージしている場合は、支払い方法の変更が必要です。機種を替える場合は、各サービスで引き継ぎの手続きをしてください。
オプションをたくさんつけると、結局高くなりませんか?
そうなることもあります。だからこそ、本当に使うものだけを選ぶことが大切です。今の契約に入っているものでも、使っていないなら外して問題ありません。
まとめ:必要な機能を足した金額で比べる
格安SIMで困りやすいのは、今の携帯会社の契約についていたサービスが、解約で終わってしまうことです。キャリア決済、留守番電話、テザリング、0570番号の通話料、キャリアメールを確認しておけば、大きな困りごとはかなり防げます。
確かめることが多く見えますが、多くの人に関係するのは、このうちの一部です。自分に必要なものを見きわめ、公式サイトで最新の条件を確かめたうえで、オプションを足した金額で比べてください。