格安SIMに興味はあるけれど、「安いのには何か裏があるのでは」「乗りかえて失敗したら怖い」と感じている人は多いと思います。その不安は、半分は思いこみで、半分は本当に気をつけたほうがいいことです。
この記事では、よく聞く不安を7つにわけて、「実際にはどうなのか」と「どうすれば防げるのか」をまとめました。

不安1:電波がつながらないのでは?
実際は:格安SIMも、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルのどれかの電波を使っています。電波が届く範囲は、使っている回線の会社と同じです。
防ぎかた:家や職場で、どの会社の電波が入りやすいかを確かめて、その回線のプランを選びます。今のスマホで電波に不満がないなら、同じ回線を選ぶのがいちばん確実です。
不安2:お昼に遅くなるって本当?
実際は:本当です。とくに大手から回線を借りているMVNOは、お昼休み(12時〜13時ごろ)や夕方に、みんなが同時に使うため遅くなりやすいです。大手のサブブランドやオンライン専用プランは、比べると安定しやすい傾向があります。
防ぎかた:お昼に動画やアプリをよく使う人は、ahamo・povo・LINEMO・UQモバイル・ワイモバイルなどを候補にします。速さについては「格安SIMの通信速度は遅い?」でくわしく書いています。
不安3:困ったときに相談できない?
実際は:多くの格安SIMは、問い合わせがチャットや電話、メールです。ショップでその場で直してもらう、ということはできない会社が多いです。
防ぎかた:設定に自信がない人は、お店のある会社(ワイモバイル、UQモバイル、楽天モバイルなど)を選ぶか、家族や知り合いに手伝ってもらえる日に手続きをします。申し込む前に、公式サイトの「よくある質問」や設定の手順を一度読んでおくと安心です。

不安4:キャリアメールが使えなくなる
実際は:〜@docomo.ne.jp、〜@ezweb.ne.jp などのアドレスは、乗りかえると原則として使えなくなります。大手各社には、月額料金をはらってアドレスを残せるサービスもあります。
防ぎかた:ネットショップ、銀行、病院の予約などの登録アドレスを、Gmail などに変えてから乗りかえます。これをしないと、パスワードの再設定メールが届かなくなって困ることがあります。
不安5:通話料が高くつくのでは?
実際は:電話番号を使った通話は、多くのプランで30秒22円です。かけ放題がないプランで長電話をすると、月額が安くても合計が高くなります。
例で考えてみましょう:10分の電話を月に5回かけると、22円×20回×5=2,200円です。月額1,000円のプランでも、合計は3,200円になります。5分かけ放題のオプション(会社によって月500円前後)を足したほうが安くなるかもしれません。
防ぎかた:今の明細で、通話料がいくらかかっているかを見ます。LINE通話にできる相手はアプリに切りかえるのも手です。
不安6:手続きでトラブルになりそう
実際は:多いのは、「本人確認書類の住所が今の住所とちがう」「申し込みの名前と今の契約の名前がちがう」「スマホが対応していなかった」といったつまずきです。
防ぎかた:申し込む前に、次の3つを確かめます。
- 運転免許証などの住所が、今の住所と同じか
- 今の契約者と、申し込む人の名前が同じか
- 使うスマホが、乗りかえ先の「動作確認端末」に入っているか
手続きの順番は「格安SIMへの乗り換え手順」、電話番号をそのまま使う方法は「MNPのやり方」にまとめています。
不安7:安い会社はすぐなくなるのでは?
実際は:これまでにも、サービスを終えたり、ほかの会社にまとめられたりした格安SIMはあります。その場合も、いきなり使えなくなるのではなく、案内が来て、ほかの会社へ移る期間がもうけられるのがふつうです。
防ぎかた:電話番号は会社をかえても引きつげます。心配な人は、大手のサブブランドやオンライン専用プランを選ぶと、より安心感があります。

「怖い」を減らすための、契約前チェック
- 直近3か月のデータ量と通話料を見た
- 家と職場で入りやすい回線を確かめた
- キャリアメールで登録しているサービスを変えた
- スマホが動作確認端末に入っているか見た
- 本人確認書類の住所と名前を確かめた
- 困ったときの問い合わせ方法(チャット・電話・お店)を確かめた
よくある質問
Q.格安SIMで個人情報が危ないことはありますか?
格安SIMだから危ない、ということはありません。どの会社でも、ネットで申し込むときは公式サイトから手続きし、本人確認書類の画像を送る先が正しいかを確かめましょう。
Q.合わなかったら元に戻せますか?
戻せます。またMNPで電話番号を引きついで、大手に戻ることもできます。いまは契約期間のしばりがない会社がほとんどです。
Q.年配の家族にもすすめていいですか?
設定や問い合わせを家族が手伝えるなら、十分使えます。本人だけで対応するなら、お店のある会社が安心です。
実は大手と変わらないこと
不安ばかり並べましたが、反対に「格安SIMでも大手と変わらないこと」もあります。ここを知っておくと、必要以上に心配しなくてすみます。
- 電話番号:MNPで、今の番号をそのまま使えます。
- 電波の届く範囲:使っている回線の会社と同じです。
- 110番・119番などの緊急通報:音声通話つきのSIMなら、ふつうにかけられます(データ専用SIMではかけられません)。
- スマホの使い方:アプリ、写真、LINEなど、スマホそのものの使い方は何も変わりません。
- 契約のしばり:いまは大手も格安SIMも、契約期間のしばりがないプランがほとんどです。
口コミを見るときの注意
ネットの口コミには、「遅すぎて使えない」「最高に快適」と、正反対の声がならぶことがよくあります。これは、住んでいる場所、使う時間帯、スマホの機種がひとりひとりちがうからです。
口コミを見るときは、次の点に気をつけると、自分に近い情報を見つけやすくなります。
- いつごろの書きこみか(料金や速度は年によって変わります)
- どの時間帯の話か(お昼か、夜か)
- どの地域・どんな場所の話か(都市部か、建物の中か)
- 何に使ったときの話か(動画か、LINEだけか)
いちばん確実なのは、自分の生活の中で試してみることです。いまは契約期間のしばりがほとんどないので、合わなければ乗りかえることもできます。
家族にすすめるときに気をつけたいこと
自分は格安SIMで満足していても、家族にとってもよいとは限りません。親のスマホを乗りかえる場合などは、電話をどのくらいかけるか、困ったときに誰に聞くか、キャリアメールを使っているか、を本人と一緒に確かめてから決めるのがおすすめです。
それでも不安なら、小さく始める
いきなりメインの電話番号を乗りかえるのが不安なら、まずはデータ専用の格安SIMや、基本料のかからないプランをサブ回線としてためしてみる方法もあります。お昼の速さや、問い合わせの対応を自分で体験してから、メインの番号を乗りかえるかどうかを決められます。
まとめ
格安SIMが「怖い」と言われる理由の多くは、事前に確かめれば防げることです。お昼の速度、キャリアメール、通話料の3つは、とくに見落としやすいので注意してください。不安をひとつずつ消していけば、乗りかえは思ったよりむずかしくありません。格安SIMのしくみをもう少し知りたい人は「格安SIMとは?」も読んでみてください。