格安SIMには、電話番号がついた「音声SIM」と、ネットだけ使える「データ通信専用SIM(データSIM)」があります。データSIMは音声SIMより安いことが多いですが、できないこともあります。
この記事では、データSIMがどんな人にお得なのか、選ぶ前に知っておきたい注意点をまとめます。

データ通信専用SIMとは
電話番号を使った通話ができず、インターネットだけを使うSIMです。SMS(ショートメッセージ)をつけられる「SMSつき」のタイプもあります。
| 音声SIM | データSIM(SMSつき) | データSIM | |
|---|---|---|---|
| ネット | ○ | ○ | ○ |
| 電話番号での通話 | ○ | × | × |
| SMS | ○ | ○ | × |
| 110番・119番 | ○ | × | × |
| 月額 | やや高い | 中くらい | いちばん安い |
料金の例(2026年11月時点・税込)
NUROモバイルの「バリュープラス」は、同じ容量で音声SIMとデータSIMの両方があり、差が分かりやすい例です。
| 容量 | 音声通話つき | データ専用 |
|---|---|---|
| 3GB | 792円 | 627円 |
| 5GB | 990円 | 825円 |
| 10GB | 1,485円 | 1,320円 |
| 15GB | 1,790円 | 1,625円 |
この例では、データ専用にすると月165円安くなります。1年で1,980円です。また日本通信の「ネットだけプラン」のように、データ専用のプランだけを用意している会社もあります。金額は公式サイトで最新のものを確かめてください。
差は「すごく大きい」というほどではありません。データSIMを選ぶかどうかは、安さよりも「電話番号がいらない使い方かどうか」で決めるのがよいでしょう。

データSIMが向いている使い方
1.2台目のスマホやタブレット
電話は1台目のスマホでかけ、2台目やタブレットはネットだけ、という使い方です。タブレットを外で使いたい人にも向いています。
2.モバイルルーター
モバイルルーターにデータSIMを入れて、パソコンやタブレットをつなぐ使い方です。
3.予備の回線として
メインの回線で通信障害が起きたときの予備として、別の会社の回線をもっておく人もいます。eSIMに対応したスマホなら、1台で2つの回線を使い分けることもできます。
4.通話はすべてアプリでする人
LINEなどのアプリだけで連絡がすむなら、データSIMだけで生活することも不可能ではありません。ただ、次の注意点をよく読んでから決めてください。
選ぶ前の注意点
- 110番・119番にかけられない:いざというときに困ります。メインのスマホをデータSIMだけにするのは、慎重に考えましょう。
- SMSでの本人確認ができない:銀行、買い物、SNSなどのアプリは、登録やログインのときにSMSで確認コードを送ることがあります。SMSつきを選ぶと安心です。
- 電話番号がない:お店の予約や役所の手続きで、電話番号が必要な場面はまだ多くあります。
- あとから音声SIMに変えられるか:会社によっては、データSIMから音声SIMへの変更に手数料がかかったり、できなかったりします。
例で考えてみましょう
例1:タブレットを外で使いたい
電話はスマホでかけるので、タブレットにはデータSIMで十分です。使う量に合わせて、3〜10GBくらいから選びます。
例2:メインのスマホ代をとことん下げたい
データSIMにしても、音声SIMとの差は月100〜200円くらいのことが多く、そのかわりに110番や本人確認で困るおそれがあります。メインのスマホは、小さい容量の音声SIMにするほうが現実的です。
例3:テザリング用に大容量がほしい
パソコンをよくつなぐなら、データ専用の大容量プランか、スマホの無制限プランのテザリングかを比べます。条件(速度制限など)も確かめてください。

データSIMを選ぶときの比べ方
データSIMを比べるときは、月額のほかに次の点も見ておくと、あとで困りにくくなります。
- SMSをつけられるか:アプリの本人確認に使うなら、SMSつきが選べる会社にします。
- データの繰りこし:使い切れなかった分を翌月に回せるかどうか。
- 使う機器との相性:タブレットやルーターが、その会社の回線に対応しているか(動作確認端末の一覧で確認)。
- 最低利用期間や解約の条件:短い期間だけ使う予定なら、とくに確かめておきます。
よくある質問
Q.データSIMでLINEは使えますか?
使えます。ただし、新しくLINEに登録するときに電話番号での確認が必要な場合があるので、SMSつきか、すでに登録ずみのアカウントを使うかを考えておきましょう。
Q.データSIMのスマホで電話を受けることはできますか?
電話番号がないので、ふつうの電話は受けられません。アプリでの通話はできます。
Q.日本通信の290円のプランはデータ専用ですか?
日本通信の「合理的シンプル290プラン」は音声通話つきのプランです(月額290円で1GB)。データ専用には、別に「ネットだけプラン」があります。
モバイルルーターとスマホのテザリング、どちらがいい?
外でパソコンやタブレットを使うとき、データSIMを入れたモバイルルーターを持つか、スマホのテザリングを使うかで迷う人もいます。
- テザリング:機器が増えず手軽。ただし、スマホの電池の減りが早く、スマホのデータ容量を使います。
- モバイルルーター:スマホの電池を使わず、長時間つなぎっぱなしにしやすい。機器代と、別の回線の月額がかかります。
使う時間がたまにで短いならテザリング、毎日長時間ならモバイルルーター、というのが一つの目安です。
データSIMの申し込みと設定
データSIMは、電話番号を引きつぐ手続き(MNP)がないので、新しく申し込むだけです。本人確認書類と支払い方法を用意して、ネットから申し込みます。届いたら、使う機器にSIMを入れてAPN設定をすれば使えます。会社によっては、本人確認の書類が音声SIMより少なくてすむ場合もあります。
タブレットやモバイルルーターで使う場合は、その機器がSIMに対応しているか(SIMカードをさせるモデルか)を先に確かめてください。Wi-Fi専用のタブレットには、SIMを入れることができません。
2回線もつと、トータルで高くならない?
スマホの音声SIMとは別に、タブレット用のデータSIMを契約すると、回線が2つになります。合計がいくらになるかを計算して、スマホの容量を大きくしてテザリングでタブレットをつなぐ場合と比べてみましょう。タブレットを使う時間が短いなら、テザリングのほうが安くすむことも多いです。
データSIMを選ぶ前の最終チェック
- 電話番号での通話や110番が、その機器でいらないか
- SMSでの本人確認が必要なアプリを使う予定がないか
- 使う機器がSIMに対応しているか
- テザリングで代わりにならないか
すべて確かめて問題がなければ、データSIMは、ムダなく使える選択肢になります。
迷ったときは、まず音声SIMの小さいプランで始め、2台目が必要になったらデータSIMを足す、という順番にすると失敗が少なくなります。最初から回線を増やしすぎないことが、通信費をおさえるコツです。
まとめ
- データSIMは、音声SIMより少し安いが、電話番号・110番・SMSが使えない
- 2台目、タブレット、モバイルルーター、予備の回線に向いている
- メインのスマホは、小さい容量の音声SIMにするのが現実的
容量の決め方は「格安SIMのデータ容量の選び方」、会社選びは「格安SIMの選び方とおすすめ5社」を参考にしてください。