格安SIMの基本

格安SIMの通信速度は遅い?遅くなる時間帯と、つながりやすさの見分け方

格安SIMについて調べると、「お昼は遅い」「つながりにくい」という声をよく見かけます。これは半分本当で、半分は選び方で防げることです。

この記事では、なぜ遅くなるのか、どんな時間帯に遅くなるのか、そして遅さで困らないための選び方を説明します。

格安SIMの通信速度は遅い?実際の使い心地とは?

結論:遅くなるのは「混む時間帯」と「回線のしくみ」しだい

格安SIMがいつも遅いわけではありません。朝や夜の空いている時間は、大手と変わらないことも多いです。遅くなりやすいのは、多くの人が同時にスマホを使う時間です。

  • お昼休み(12時〜13時ごろ)
  • 夕方の帰宅時間(18時前後)
  • 夜のくつろぎ時間(21時前後)

そして、遅くなりやすさは「どんなしくみの回線か」で大きく変わります。

なぜ遅くなるのか:道路にたとえると分かりやすい

回線を道路にたとえてみます。大手の会社は、自分で大きな道路をもっています。MVNO(大手から回線を借りている会社)は、その道路の一部の車線を借りて、自分のお客さんを通しています。

借りている車線の数には限りがあるので、お昼のようにみんなが同時に出かける時間は、借りた車線が先に混んでしまいます。これが「お昼に遅くなる」理由です。

一方、ahamo・povo・LINEMO のような大手のオンライン専用プランや、UQモバイル・ワイモバイルのようなサブブランドは、大手が自分の道路で提供しているので、混む時間でも比べると安定しやすい傾向があります。

大手通信キャリアと比較すると特定の時間帯に速度低下が見られるものの、日常利用においては約9割の利用者

「つながりやすさ」は速度とは別の話

「遅い」と「つながらない」は、ちがう問題です。

  • つながらない:電波が届いていない。使っている回線(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天)のエリアの問題
  • 遅い:電波は届いているが、道路が混んでいる。時間帯や会社のしくみの問題

格安SIMも大手と同じ電波を使っているので、電波の届く範囲は、その回線の会社と同じです。家や職場、よく行く場所で、どの回線の電波が入りやすいかを確かめておくと、「つながらない」はかなり防げます。各社の公式サイトには、住所でエリアを調べられるページがあります。

用途別:どのくらいの速さがあれば足りる?

よく使われる目安は次のとおりです。あくまで目安ですが、「何に使うか」で必要な速さはかなりちがいます。

使い方速さの目安
LINEのメッセージ、メール1Mbpsくらいでも使える
ネットの記事、SNS数Mbps
動画(ふつうの画質)数Mbps〜
動画(高画質)、ビデオ通話10Mbps以上あると安心
オンラインゲーム速さに加えて、反応の速さ(Ping)が大事

また、広告などで見る「最大○Mbps」は、条件がいちばんよいときの理論上の数字です。実際の速さ(実測値)は、それよりずっと低いのがふつうです。比べるときは、利用者が測った実測値を集めたサイトなどを参考にすると、実際の感じに近くなります。

例で考えてみましょう

例1:お昼休みにSNSを見るだけの人

写真の多いSNSを見ると、MVNOでは読みこみに少し時間がかかる日があるかもしれません。気にならなければ、安いMVNOで十分です。気になるなら、オンライン専用プランを選びます。

例2:通勤中に動画を見る人

朝夕の混む時間に動画を見るなら、安定しやすい大手のオンライン専用プランやサブブランドが向いています。動画を見る量が多いなら、データ容量も大きめにします(「データ容量の選び方」)。

例3:家ではWi-Fi、外ではほぼ使わない人

速度の差は、ほとんど気になりません。料金の安さを優先して選んでよいタイプです。

通信速度が時間帯によって変動しやすい構造的な背景と、通信回線の仕組み

遅い・つながりにくいと感じたときの対処法

  1. 機内モードをオン→オフにする:電波をつかみ直します。
  2. スマホを再起動する:意外とこれで直ることがあります。
  3. APN設定を確かめる:乗りかえ直後に遅い・つながらない場合、設定がちがっていることがあります。
  4. データ容量を使い切っていないか見る:使い切ると、多くのプランで速度がとても遅くなります。
  5. Wi-Fiが近くにあれば切りかえる:弱いWi-Fiにつながったままで遅いこともあります。

それでも毎日のように困るなら、回線が合っていない可能性があります。いまは契約期間のしばりがない会社がほとんどなので、別の会社に乗りかえることもできます。

よくある質問

Q.楽天モバイルはつながりにくいですか?

楽天モバイルは自分で設備をもつ会社で、エリアは広がってきています。ただ、建物の中や地域によって差があるので、よく使う場所が公式のエリアマップでどうなっているかを確かめてください。

Q.5Gにすれば速くなりますか?

5Gのエリアにいて、スマホも5Gに対応していれば速くなることがあります。ただ、エリアはまだ限られていて、MVNOの混雑による遅さは5Gでも起こりえます。

Q.速度制限とは何ですか?

決められたデータ量を使い切ったときに、速さがおさえられることです。どのくらい遅くなるかはプランによってちがいます。

乗りかえ前に、速さをためす方法

「乗りかえてから遅かったらどうしよう」と心配な人は、乗りかえる前にためす方法があります。

  • お試しプランを使う:一部の会社には、少ないデータ量を安く使えるプランや、お試し用のSIMがあります。
  • eSIMでサブ回線として使う:今のSIMはそのままで、eSIMで別の回線を追加して、お昼の速さなどを比べる方法です。スマホが2つの回線に対応している必要があります。
  • 家族や知り合いのスマホで見せてもらう:同じ地域で同じ会社を使っている人がいれば、お昼の速さを見せてもらうのがいちばん分かりやすいです。

速度を測るときのポイント

速度を調べるアプリやサイトで測るときは、次の点に気をつけると、正しく比べやすくなります。

  • Wi-Fiを切ってから測る(Wi-Fiの速さを測ってしまうのを防ぐ)
  • 同じ場所で、ちがう時間帯(朝・昼・夜)に何回か測る
  • 1回だけの結果で決めず、平均で見る

お昼と夜で大きく差があるなら、混雑の影響を受けやすい回線です。どの時間でも遅いなら、エリアや設定の問題も考えられます。

遅さとうまくつきあうコツ

MVNOを使う場合でも、ちょっとした工夫で遅さが気になりにくくなります。

  • 動画やアプリの更新は、家のWi-Fiでするようにする
  • 音楽や動画は、Wi-Fiのあるところで先にダウンロードしておく
  • お昼休みは、データをあまり使わないこと(読書やメッセージ)にあてる

少しの工夫で、安さを生かしながら快適に使えることも多いです。

同じ回線でも、会社によって速さがちがう理由

同じドコモ回線を使うMVNOでも、A社は速く、B社は遅い、ということがよくあります。これは、それぞれの会社が大手から借りている回線の太さ(量)と、利用者の数のバランスがちがうからです。たくさん借りていても利用者がとても多ければ混みますし、借りている量が少なくても利用者が少なければ空いています。

さらに、このバランスは時期によって変わります。キャンペーンで利用者が急に増えると遅くなり、会社が回線を増やすと速くなる、ということもあります。「以前は遅かった」「以前は速かった」という口コミが、今もそのとおりとは限らないのはこのためです。新しい時期の情報を見るようにしましょう。

まとめ

  • 格安SIMが遅くなりやすいのは、お昼や夕方などの混む時間
  • MVNOは混む時間に遅くなりやすく、大手のオンライン専用プランやサブブランドは安定しやすい
  • 「つながらない」はエリアの問題なので、よく使う場所の電波を確かめる

速さを重視するか、安さを重視するかで、選ぶ会社は変わります。「格安SIMの選び方とおすすめ5社」で比べてみてください。